もしもの時の備えとして保険に加入している人は多いと思いますが、リスクに敏感になり過ぎて不要な保険にも加入しているかもしれません。
無駄な保険料を支払っていると固定費が増えてしまい家計を圧迫してしまいます。
保険料の見直しを行えば、リスクに対する備えもしながら家計に余裕が生むこともできるでしょう。
そこで今回は保険料の見直しについて詳しく解説していきます。
最低限加入すべき保険や必要性に乏しい保険はどれなのかについても参考にしてみてください。
保険への加入が必要な理由
まず大前提として「なぜ保険が必要なのか?」について理解する必要があります。
何となく「保険って必要なものでしょ?」という理由で加入していると、無駄な保険料を支払っているかもしれません。
本来保険は「リスクに対する備え」のために必要なものなのですが、保険に頼る範囲としては「起きる頻度が低く、損失が大きい」タイプが適切です。
「起きる頻度が高く、損失が大きい」タイプのリスクは、そもそも近寄らない方がいいですし、「損失の小さい」タイプは貯金で賄うのが適切なので保険は不要です。
どのようなタイプのリスクを保険でカバーするのかをきちんと理解した上で、加入すべき保険を整理してみてください。
保険料の見直しが重要な理由
保険料を見直しを定期的に行った方がいい理由としては以下の3点が挙げられます。
- 固定費を減らすと節約効果が大きい
- 無駄な保険料を支払っている可能性が高い
- 浮いた保険料を別の用途に使える
それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。
固定費を減らすと節約効果が大きい
保険料は毎月支払う固定費に該当するため、見直すことで支払い額を安くすれば長期的に大きな節約効果が得られます。
人生の中でも大きな支出の1つでもあるため、長い間支払いを続ける以上、効率的な選択をしなければなりません。
税金や社会保険料の負担も大きい中で、無駄な保険料を支払っていると家計を圧迫してしまうので見直しは必須です。
無駄な保険料を支払っている可能性が高い
保険は「加入するもの」と考えている人も多いかもしれませんが、中には「貯蓄」や「社会保険」でカバーできるものが数多くあります。
リスクの内訳を整理したり、社会保険制度の内容を把握していないと、不要な保険に加入して無駄な支払いをしているかもしれません。
優先順位として「公的保険」「貯蓄」でカバーすることをまず考えて、それ以外のリスクを民間保険で備えてください。
浮いた保険料を別の用途に使える
保険料の見直して支出を下げることができれば、別の用途に使うことができます。
金融資産への投資や子供への教育投資など、将来的に価値を生む有意義な使い方も可能です。
どんな時に保険を見直す?
どんなタイミングで保険を見直す必要があるのかについて解説していきます。
主なポイントとしては「生活ステージが変化した時」が保険の見直しどきです。
- 結婚や出産などライフステージが変化したとき
- マイホームやマイカーの購入で支出が増えたとき
- 子供が独立したとき
では、具体的にどのような方針で見直していくのかみていきましょう。
結婚や出産などライフステージが変化したとき
結婚や出産などでライフステージが変化すると、それだけ家計も変化していきます。
家族が増えれば支出も増えますし、備えるべきリスクの種類も変わってくるでしょう。
自分自身の万が一のことがあった際、残された家族が生活を送れるようにするなど、生命保険関連を見直す必要が出てくるでしょう。
マイホームやマイカーの購入で支出が増えたとき
マイホームやマイカーなどをローンを組んで購入した場合、毎月の支出が増えるので、家計のバランスを整えるため保険料の見直しが必要です。
さらに、住宅ローンを借り入れる際は「団体信用生命保険」への加入が必須で、返済中に債務者が死亡すると保険からローンの残債が支払われる形になります。
そのため、死亡後は住居費が不要になるため死亡補償で受け取れる金額を下げて保険料の負担を軽くするといった見直し方が可能です。
子供が独立したとき
子供が就職して独立すると経済的な負担が軽くなるのに加えて、老後生活のことを考え始めなければなりません。
医療保障や介護保険など、検討すべき保険の種類も変化していくでしょう。
保険を見直すときのポイントを解説
保険を見直すときのポイントについて解説していきます。
主に以下の6つのポイントを意識してみてください。
- 保険料が家計を圧迫していないか
- 補償額が十分な金額かどうか
- 保険料の支払い期間は?
- 解約するといくら戻ってくるか
- 掛け捨て/積み立ての比率
- 社会保険でカバーできる部分はあるか
では、それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
保険料が家計を圧迫していないか
保険に加入してリスクに備えるというのは真っ当な考え方ではありますが、支払っている保険料が家計を圧迫していると継続するのが困難になります。
保険料が支払えなくなったらいざというときに役に立ちません。
収入と支出のバランスを考慮しながら、必要十分な補償が受けられる保険に加入するのが重要です。
補償額が十分な金額かどうか
保険はリスクが生じた時に金銭的な補償が十分に受けられて初めて機能したと言えます。
加入しているだけでは意味がなく、補償額が十分でなければ加入している意味がないでしょう。
そのため「どんなリスクに対して備えているのか」「リスクが生じたときの補償は十分か」を整理して、適切な保険に加入しているかを検討してみてください。
保険料の支払い期間は?
「保険料をいつまで支払うのか」についても把握しておく必要があります。
子供が独立するタイミングや定年退職するタイミングなどを考えながら、保険料の支払いを調整してみましょう。
終身払いの保険に加入している場合は、家計のバランスを考慮して無理のない保険料かどうかを確認してください。
解約するといくら戻ってくるか
保険の見直して解約するものが出てきた場合、解約返戻金の有無を調べておきましょう。
解約のタイミングや契約期間によっては、解約返戻金がほとんどないケースもあるので注意が必要です。
掛け捨て/積み立ての比率
保険には「掛け捨てタイプ」と「積み立てタイプ」の2種類がありますが、バランスを考慮しながら配分するのが大切です。
今現在の必要性や将来的な必要性などを考慮しながら、適切なバランスで保険の内訳を決めてみてください。
社会保険でカバーできる部分はあるか
リスクに対する備えの優先順位としては「社会保険」→「民間保険」とするのがおすすめです。
社会保険の制度を把握して、カバーできるリスクを考慮した上で加入する民間保険を決めてみてください。
必ず入るべき3つの保険とは?
それでは、保険の見直しを行う上で最低限入っておくべき3つの保険について解説していきます。
入るべき保険は以下の3つです。
- 自動車保険
- 火災保険
- 生命保険(掛け捨て)
では、保険の内容や必要な理由について詳しくみていきましょう。
自動車保険
自動車保険は、加入が必須の「自賠責保険」と加入するかどうかが自由な「任意保険」の2種類があります。
車を購入するタイミングで自賠責保険に加入するのですが、事故を起こした際に十分な補償が受けられない可能性が高いため、任意保険への加入は必要です。
交通事故で相手方を死亡させてしまうと、数億円といった賠償金が請求する可能性もあるので、特に「賠償責任保険」が無制限で受けられる任意保険を選びましょう。
その他にも、事故処理をスムーズに行うための「弁護士特約」などがあると便利です。
火災保険
火災保険は、事故や災害などで家屋や家財が損害を受けた場合に補償が受けられます。
「火災保険=火事」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、それ以外にも幅広いトラブルに対応できるため加入をおすすめします。
事故や災害などで出た損害に対しては高額な修繕費用がかかるため、保険でのカバーは必須です。
ただし、保険料や補償金額のバランスを把握した上で適切な保険に加入してください。
生命保険(掛け捨て)
子育て世帯の方は掛け捨ての生命保険に加入しておくようにしてください。
やはり自分自身に万が一のことがあった場合に、残された家族が生活できるだけの補償が必要となります。
養育費や教育費、生活費などかなりのお金がかかるので、生命保険は必須と言えます。
掛け捨てであれば保険料もそこまで高くはないので、家計を圧迫することもないでしょう。
要見直し!不要な可能性が高い保険
世の中にはさまざまな保険がありますが、中には必ずしも加入しておかなくてもいい保険があります。
もし下記の保険に加入している場合は、見直し対象として解約をおすすめします。
- 医療保険
- 個人年金保険
- 貯蓄型保険
- 介護保険
- 学資保険
- ペット保険
- 地震保険
- 外貨建て保険
では、これらの保険が不要な理由について詳しくみていきましょう。
医療保険
民間の医療保険でカバーできるリスクについては、公的保険でまなかえるものがほとんどです。
医療費については健康保険で3割負担(上限あり)で済みますし、病気や怪我で働けない場合の公的補償制度も存在します。
自己負担になる部分についてもそこまで高額になる訳ではないため、民間保険でなく、貯蓄でカバーするのがおすすめです。
個人年金保険
個人年金保険は、老後生活に備えて自分で積み立てる年金のことです。
不要な理由としては利回りの低さや終身年金ではない点が挙げられます。
こういったタイプの資産運用をするのであれば、積立NISAやiDeCoといった制度を活用するのがおすすめです。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は、掛け捨て生命保険と投資信託がセットになった商品なのですが、割高な保険料に対して補償額は低いのでおすすめではありません。
投資をするのであれば保険とは別にすべきですし、その方がより優良な金融商品を選ぶことができます。
生命保険に加入するなら保険料の安い掛け捨て生命保険に変更するのがおすすめです。
介護保険
介護に関するリスクへの備えは、公的保険と貯蓄でカバーするのがおすすめです。
介護保険に加入すると保険料が高額になりがちなので、その分を貯蓄や投資に回して、個人資産で対応できる幅を広げてください。
学資保険
学資保険は、子供の教育資金を準備するための保険です。
しかし、元本割れや不払いの可能性がありますし、利回りの低さがネックとして挙げられるので、教育資金については貯蓄で備えるのが基本です。
ペット保険
大事なペットのために保険に加入する人は多いかもしれませんが、ペット保険は損をする確率が高いためおすすめではありません。
リスクによる損失も貯蓄でまかなえる範囲ですし、保険適用外の疾病には対処がでいません。
ペットが人に怪我をさせた場合では、火災保険や自動車保険の個人賠償責任特約が使えるので、わざわざペット保険に加入する必要はないでしょう。
地震保険
地震保険は、火災保険でカバーできない地震や津波などの損害に備える保険です。
リスクが生じた場合の損害が大きいため必要そうに思えるのですが、保険金が出にくいという特性があるため、十分な補償が受けられない可能性があります。
多額のローンが残っている場合には加入を検討するのもアリですが、それ以外の場合には不要と言えるでしょう。
外貨建て保険
外貨建て保険は、保険料の一部を外貨建ての投資信託に投資するという内容になっているのですが、手数料が高額ですし、元本割れのリスクを考慮すると不要としか言えません。
利回りも低いのでわざわざこのタイプの保険で投資をする必要もないでしょう。
投資商品としてのリスクだけでなく、為替リスクも考慮しなければならないというのもネックです。
まとめ
保険料の見直しについて詳しく解説していきました。
固定費の1つで人生全体の中で高額な支出にもなるので、しっかりと検討をして加入する保険に絞ってみてください。
保険について見直す時には公的保険や貯蓄で備える部分についての検討も必要です。
不要な保険は解約して効率的にリスクへの備えをすることで、家計のバランスをとりながら生活にゆとりを持たせてみてください!
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